震災後の首都圏の街の様子

僕は東京都内まで電車一本で行けるある首都圏の街に住んでいますが、震災後の地元での様子を記録しておきたいと思います。

まず我が家の被害ですが、僕の家では、食器棚の扉が開いてコップが3つ割れたのと、本棚に積んであった本が崩れ、CDが床に落ちて何枚か砕け散った程度でした。
家そのものは新築で耐震性を重視した建物だったので、建物自体は無事でしたが、壁紙に何ヵ所か細かいひびが入っていました。これは後で火災保険で直せるのかな。
その他、特に高価な電化製品などに被害が無かったのは良かったと思います。前に紹介したコンポとか割と不安定な場所に置いてあったので、無事で本当に良かった。

次に家の周りですが、住宅街にはあまり変化は見られないのですが、駅の近くに行くと、節電のためにほとんどの店が灯りを消して店内が暗くなっています。
ネオンや看板の灯りは消されていて、店内の照明は半分だけつけて営業している店がほとんどでした。暗いのでぱっと見開店しているのかどうか分からない店もあります。
スーパーの食品売り場では、冷蔵の商品棚に付いている電灯が全部消されていたので、かなり暗く感じました。また、冷暖房も止められているため、売り場はとても寒いです。特にイオンの巨大な食品売り場は寒かった。

運転停止中のエスカレーター
駅に行くと、エレベーターは動いているのですが、エスカレーターはほとんど止められていました。
駅ビルの前など、メインの通路がエスカレーターになっているような所では、裏の方にある階段まで迂回して上り下りをしなければならない所もあり、ちょっぴり不便ですね。
普段階段があまり使われてない所では、店員に階段の場所を聞いている人も何人か見ました。

鉄道の節電状況は会社によって違っていて、JRでは一部の電車で車内灯を消していました。
これが、ホームが2階にあるような屋根のあるホームに着くと、車内は真っ暗になります。目の慣れのせいもあるのですが、向かいに座ってる人の顔もはっきりと視認しづらいような暗さだったので、防犯の面で不安が残ります。
ホームの電灯は半分だけつけていました。薄暗くても利便性の面ではほとんど問題ないのですが、今までどれだけ灯りに照らされて生きてきたのかを実感します。
地下鉄では、地下を走ってる間は車内灯をつけて、地上に出ると消すというようなこまめな節電をしていました。
それから、地下鉄の地下深いホームでは上りのエスカレーターだけ稼働していましたね。階段よりエスカレーターの方が幅を取っているような、そんな駅です。

関東では電力不足の影響で計画停電が行われていましたが、初めは電車のダイヤも臨時のもので、私鉄では電力利用のピーク時に3時間くらい電車を止めている会社もありました。
しかし、何日か経って状況が把握できてきたのか、現在では節電用の臨時のダイヤで運行しています。この臨時のダイヤでは電車の本数が少なくなっていて、特に昼間はこれまでの2分の1から3分の1とかなり少なくなっていますが、ランダムに間引くのではなく、時刻が決められているので、時刻表さえ手に入れれば対応できそうです。
ただ、インターネットの乗り換え案内などのサービスが、まだこの臨時のダイヤに対応していないようなので、その点はとても不便ですね。

震災後の自粛が問題視されていますが、自粛と言われてる中にも、震災による影響と電力不足による影響があるようです。
父の会社では、今年は歓送迎会を自粛したと言っていましたが、理由は電車のダイヤが不安定で、遅くなると都内から帰れない社員が出てくるからということでした。
知り合いのいる町では、停電の影響でしばらく電車が運休しているという発表がありましたが、実際は地震の影響で設備が壊れていたのが原因だったそうです。
政府が自粛を呼びかけることには問題があるかもしれませんが、民間や個人が自粛と言った場合、裏に様々な事情があることを考慮した方がいいでしょう。

ちなみに僕の友達の中では、不謹慎だからとか、自粛しようという話はほとんどなく、むしろ思いっきり楽しんで経済の復興に貢献しようという話が多いです。

街に出ると本当に暗くて、あのパルコでさえ店内の灯りが一部消されていて、とても暗い気持ちにさせられます。
これから電力の供給量は復旧するのか、それとも電気に依存しない社会が作られるのか、見守っていくしかないですね。
コンピューターを扱う者としては、電力がある程度までは復旧してもらわないと困るのですが。

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