この度の輪番停電騒動でだいぶUPS(無停電電源装置)が売れたそうだけど、これからますます停電への備えが注目されるのではないだろうか。
これは孫正義氏が唱えた光の道構想でも出てきた話なのだけど、メタル回線を使った電話では、電話回線に微量な電流を流しているから、もし停電になっても電話がかけられるようになっている。例えば最近の高機能な電話では当たり前のように電源を必要としているけど、昔の黒電話は電源も電池も必要とせず、ただ電話回線に繋ぐだけで電話ができる。これと同じ仕組みで、最近の電話でも、ディスプレイ表示やリダイヤルのような高度な機能は使えないものの、シンプルな電話機能だけは停電時でも使えるものが多いという。
一方で光回線には電流を流すことができないために、停電時には電話が通じなくなってしまう。メタル回線を光回線に変えて、電話を全てIP電話にしたとしても、ユーザーとして変化を感じる部分はほとんどないのだけど、この点は問題になるだろうと言われていた。
そこで孫氏が提案したのが、光回線の終端装置に充電式の電池を内蔵しようというとてもシンプルな案だった。充電池には寿命があるけれど、2~3年に1回メンテナンスすれば済むことだし、充電池の値段もそんなに高いものではない。仕組みも簡単で、開発費もたいしたことなくできるだろう。
今回の災害で停電の不便さを知った我々としては、直ちにこの案を実行して、停電時に光回線でも電話が通じるようにして欲しいと思う。
光回線の終端装置はNTTの持ち物なので、個人で交換することはできない。NTTには直ちにこのような停電対策を行って欲しいものである。
停電時にIP電話が繋がるようになれば、それは同時にインターネットにもアクセス可能であることを表す。
ノートパソコンなどのバッテリーを持った端末を使えば、停電時でもインターネットを利用することができるようになるだろう。
なお、光回線と同時に使えるようにしたいのが、無線LANである。
無線LANルーターにも同じように充電池を入れて、停電時に数時間だけでも使えるようになると嬉しい。
充電池が乾電池に置き換えられるような仕組みだと、停電が長く続いた場合でも応用が利き、なおよいだろう。