スマートフォン紛失に備えたセキュリティ対策

携帯電話には個人情報がたくさん記録されており、また、様々なサービスにパスワード無しで簡単にアクセスできるように設定している人も多いと思います。特にスマートフォンにしてからは、利用するサービスの数が増え、結果として記録されている個人情報の数も増えたという人が多いのではないでしょうか。

そんなスマートフォンを万が一紛失、あるいは盗難に遭ってしまったら。
拾った方がすぐに警察に届けてくれればいいのですが、もし見付からなかった場合、お気に入りの端末を失うこと以上に、個人情報を悪用される心配の方が大きいと思います。

スマートフォンでは、これまでフィーチャーフォンの時に使えていた、「おまかせロック」や「ケータイお探しサービス1に対応してない機種がほとんどです。
キャリアの公式のサービスについては今後の拡充に期待したいところですが、折角のスマートフォンなので、スマートに自分でアプリを入れることで、これらのサービスと同様のメリットを受け、万が一に備える方法を考えたいと思います。


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まずは「おまかせロック」のように、遠隔地から端末にロックをかけられるアプリです。
これは結構いろんな種類がありました。
パソコンからインターネットを利用してロックするもの、電話をかけることでロックするもの、メールを送ることでロックするものなどです。ただ、メールを利用したものは、最近のGmailの仕様変更により、利用できなくなっているものが多いようなので注意して下さい。2

ここでは、マーケットで高い評価を得ていたアプリを2つ紹介しましょう。
とかいって、僕は二つ目の方しか使ってないんですけど、一応比較対象があったほうがいいかなってことで(汗)。

一つ目は、パソコンでのセキュリティ対策で定評があり、docomoの「あんしんスキャン」を提供していることでも有名な、McAfeeの「WaveSecure」です。
こちらは、利用するのに年間1,980円払う必要がありますが、遠隔地からのロック・アラーム・データ消去・位置情報の取得に対応しています。
紹介ページを見る限りでは操作も簡単そうですし、作りが細かいですね3。遠隔地からのロックは、パソコンや他のスマートフォンなどからウェブを利用して行う方法と、SMSを使って行う方法があるようです。
ちょっと高くも感じますが、1ヶ月あたりで考えたら165円なので、学生で貧乏とかじゃなければ、十分払える額だと思います。
7日間無料で使えるようなので、使ってみて不都合があったり気に入らなければ使うのを辞めるということもできます。4

折角お金を払うのならウイルス対策も一緒にしてもらいたい!という方には、「McAfee Mobile Security」という、前述のWaveSecureに、ウイルス対策機能と、危険なサイトにアクセスしようとしたときにブロックしてくれる機能がセットになったアプリが、年間2,980円で利用できます。
でも、docomoの場合、ウイルス対策は「あんしんスキャン」でできるので、特に別途対策する必要はないのかもしれません。

二つ目は、こちらもパソコンでのウイルス対策で定評のある、AVGの「Anti-Virus Free」です。
こちらはなんと無料。無料で、遠隔地からのロック・アラーム・データ消去・位置情報の取得に対応していて、さらにウイルスチェックまでしてくれます。
有料版もあるのですが、たった382円です。有料版にすると、リアルタイムのスキャニング機能が強化されるなどの特典があるようですが、あまりに安いのでつい何も考えずに有料版を買ってしまいました(笑)。5

遠隔地からの操作はウェブを通じて行います。ウェブサイトはスマートフォンからも操作閲覧が可能ですが、ちょっと見づらいかなあ。あとアプリは9割方日本語対応しているのですが、サイトの方は全部英語です。シンプルな機能しかないので、一度単語を訳すなりして使い方を覚えてしまえば難しいことはないんですけど、それでもちょっとハードルが高いですね。
その他の特徴は、
・ウイルス検索がとても早いこと。ほんの1~2分で終わります。
・設定がシンプルなこと。逆に言うと細かい設定はできないんですけどね。
・ロック画面に表示するメッセージを設定できること。自宅の連絡先とかを入れとくといいですね。
・アプリにパスワードでロックをかけることができること。画面ロック時のパスワードで十分かもしれませんが、個別のアプリを起動する際にいちいちパスワードを入力させるようにも設定できます。
問題点としては、遠隔操作でアラームを鳴らしたときに止め方が分かりませんでした。この辺は今後の改良に期待ですね。ちなみにアラーム音は電話の着信音でした。この辺も設定できるといいですね。

ウイルスの検出精度に関しては、まだAndroidにおけるウイルス対策の技術が発展途上なこともあって、どちらが優秀かはまだ分かりません。まあ、パソコンの方のウイルス検知率なんかでも、どこまで信じていいのか分からない部分はありますけど、何も対策しないよりかはウイルス対策ソフトを入れた方が遙かにいいので、何かしら入れた方がいいと思います。

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さて、次は携帯の位置情報を知るためのアプリです。

前述のアプリでも現在の位置情報を知ることはできますが、これから紹介するアプリでは、普段から定期的に携帯の場所をサーバーに記録しておくことで、携帯をどの位置でなくして、現在どこにあるのか、その経路まで知ることができます。
どうしてそうまでして知る必要があるのかということですが、携帯を紛失して自分がまだ気付く前に、拾った誰かが水没させたり電池を抜いたりしてしまった場合に、遠隔地からの操作が効かなくなってしまうためです。

この手のアプリで有名なのは「カレログ」ですが、そもそも作られた目的がセキュリティに反したもので6、法律をも犯しているのではないかと言われていて大変評判が悪いので、ここではもうちょっとシンプルな別のアプリを紹介します。とはいっても、このタイプのアプリはほとんど見付かりませんでした。探し方が悪いんでしょうかね。

見付けたのは、「Beacon」というアプリです。
こちらに作者様からの紹介があります。

このアプリは、あらかじめ設定しておいた時間7おきに携帯の位置情報を取得して、サーバーにそれを記録してくれます。一定間隔おきなので、電池の消費が抑えられていいですね。記録された位置情報は、ウェブから確認することができるので、もし携帯を紛失してしまっても、パソコンや他のスマートフォンから場所を確認することができます。
また、前に紹介した2つのセキュリティソフトにも付いている機能ですが、遠隔地からのロックとアラーム機能が付いています。ロック画面で自分が設定したメッセージを出す機能はありませんでしたが、アラーム音は選べます。

ただ、カレログで問題になったように、携帯がどこにあったかという記録は、自分がどの時間にどこにいたかの記録でもあるので、情報の取り扱いには注意しなければなりません。このアプリで提供しているサービスのサーバーや作者が信頼できる人物かどうかも断定はできないので、こればっかりはレビューなどで判断するしかないですね。

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以上のようなアプリをインストールして設定を行ったら、画面ロックの設定を行いましょう。
XperiaなどAndroid端末では、画面ロックにパスワードやパターンを登録すると、通常のロック画面を解除したあとに、もう一度解除パスを入れなくてはいけないので、非常に面倒なんですけど、拾った携帯にロックがかかっているかどうかで、できることは大きく変わってきます。ここは面倒くさがらずにロックしておきましょう。

それからバックアップも定期的に取るようにしましょう。
連絡先情報はGmailに勝手にバックアップされます。Google+を使っていれば、写真を全部自動でPicasaにバックアップできます。その他にも自動でネットワーク上にバックアップを取るアプリはいっぱいあると思うので、活用しましょう。8
今回は長くなったのでバックアップについて詳しくは省略します。

そうした上で、もしスマートフォンを紛失してしまった場合は、以下のことを行います。
・先ほど紹介したアプリを使って、端末にロックをかけます。
・Gmailのパスワードを変更。これでGoogleのサービスが使えなくなり、勝手にアプリを買うこともできなくなります。
・端末の現在位置を確認します。アラームを鳴らすと見付けやすいかもしれません。
・見付からなかったらデータを消去してしまいましょう。これは勇気がいりますね。
これで端末を見付けることができなかったら、すぐにドコモショップに行って
・SIMカードを無効にして電話や通信をできなくしてもらいます。
・「ケータイ補償 お届けサービス」のようなサービスに加入しているのであれば、必要事項を確認します。
・おサイフケータイを使っている場合は、その機能もストップさせてもらいます。
それから警察に行って
・遺失届を出します
警察で見付かったという話も聞きますし、遺失届が「ケータイ補償 お届けサービス」を利用する条件だったりするので、警察には必ず行った方がいいでしょう。

あとは、なくした前後に利用した公共交通機関なんかに連絡して……見付かるといいですね。

  1. どちらもdocomoのサービスです。
  2. 事前に一通りの機能を試しておいた方がいいですね。
  3. 僕は次に紹介するAVGの方が気に入ったので使ってみてないです……。
  4. 7日間って、試すにはちょっと短い気もしますけどね。
  5. 情弱w
  6. カレシの行動を監視しようという怖いものです。
  7. 30分、1時間、2時間、3時間、6時間から選択
  8. 要rootだけどTitaniumBackup+DropBox再強かも。

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